
これまでの柳宗理デザインづくりの道のり
1972年の札幌冬期オリンピックで柳宗理先生がトーチホルダーや聖火台をデザインされたときにご縁を得たと聞いています。燕地区がステンレスの加工に秀でていることから当社が製造を依頼されました。柳宗理のデザインのカトラリーを作り始めて50年近く、鍋を作り始めてから20年以上経ちます。デザインの特徴を大切にしながら時代に合わせて素材や製造方法を改良し、少しでも使いやすく、美しいものを作っていきたいと思います。

柳宗理デザイン鍋のこだわり
柳宗理デザインの製品の特徴は、余計な装飾をなくし、使い勝手を徹底的に追求した実用的で美しいデザインにあります。優美な曲線でデザインされたものが多く、その曲線の再現には高度な技術が必要です。鍋の場合、硬いステンレスの1枚板から鍋の形に絞る「絞り工程」で立体的な曲線を安定して成形しなければいけません。同じような製品に比べて、製造工程を増やし、見えない部分まで手間をかけて品質に気をつけて製造しています。

手に取ってくれた人へのメッセージ
柳宗理のデザインは機能性を追求することによって美しいものを完成させた究極の「用の美」だと思っています。見た目の美しさはもちろんですが、実際に手に取って料理を作ってみたときに使い勝手の良さを実感できると思います。また、シンプルな構造で作っているので手入れも楽で非常に長持ちします。鍋で傷みやすいハンドル部分もネジで固定してあるだけなのでメンテナンスが簡単です。親子2代で愛用している方も多いです。

日本洋食器株式会社
総務部 藤田龍一さん